楠には、カリオフィレン、α-ピネン、シネオール、リナロール、カンファー、リモネン、ゲルマクレン、サフロールなどが含まれるため、以下のような働きが期待できます。
●血行を促進する効果 楠の葉を浴湯料として使用することにより、血行がよくなり、疲労回復やリウマチ、神経痛、肩こり、腰痛に効果があるといわれています。
また樟の生薬、樟脳には局所刺激作用、強心作用が知られており、医薬品としても利用されています。
樟脳は呼吸器、血管を興奮させる作用があるため、外用医薬品として血行促進剤や鎮痛剤として利用されています。
●リラックス効果 楠の香りは刺激性でありながらリラックス効果もあるため、うつ症状をやわらげるほか、気持ちを高揚させる働きがあるといわれています。
●炎症を抑制する効果 樟脳は、炎症を抑える効果があるため、リウマチなどの症状をやわらげます。
また、外用として樟脳をアルコールに溶かしたものを湿布のようにして貼ると、打撲傷を軽減する働きがあります。
●肌荒れを改善する効果 楠には、抗菌効果と炎症を鎮める効果があります。
このため、樟脳が入った化粧品を使用することにより、肌のトラブル(にきびなど)を予防する効果があります。
また、にきびができてしまった時に塗る薬にも樟脳が含まれていることも多くあります。
●防虫効果 イガやコイガなどの蛾の幼虫は衣類に卵を産みつけ、孵化した幼虫が中から衣類を食べます。
また、ヒメマルカツオブシムシなどの甲虫は毛皮まで食べることで有名です。
このような虫は、楠から得られる樟脳の香りを苦手とするため、楠には衣類を食べる虫を寄せ付けない忌避効果があります。
このため、楠は古くから衣類の防虫剤として利用されています。